2025/02/05NEW
来週2月15日(土)、新橋オフィスにて第87回オークションを開催いたします!
今週コラムでは、注目作品をご紹介いたします。
明治時代、近代日本画の礎を築いた菱田春草による本作は、中国宋代の詩人・林和靖の故事を題材にとっています。湧きおこる雲の立体感や大気の湿潤を巧みなぼかしによって表し、春草らが生み出した新技法「朦朧体」が効果的に用いられていることがうかがえ、清新な気風と東洋画の深い情緒が融合する逸品です。
また、春草とともに新しい日本画の創造を目指した盟友・横山大観によるLot.84
大画面いっぱいに女性たちが踊り、天からの恵みに対する喜びを表現するような大作です。本作と同版の作品は後に「天網の柵」と題されますが、本作の裏に貼ってある画家直筆のシールには「祝網の柵」とあり、1959年にニューヨークで制作されたことも記されることから、画家がアメリカで得た刺激をそのままに作ったことがわかる大変貴重な作品です。
本作のほかにも、多くの棟方作品が出品され、棟方が暮らした富山県の「愛染苑」にあった扉絵であるLot.129
児島虎次郎は、日本における印象派の代表的な画家として名を残すとともに、実業家・大原孫三郎と親交を結び、岡山県倉敷にある日本初の西洋美術中心の私立美術館・大原美術館のコレクションの礎を築いたことでも著名です。
虎次郎はフランス・ベルギーへ留学し、当時の日本人画家では突出した明るく純粋な光を描く画風を身につけ、豊麗な色彩世界を表現しました。本作は画家の特色が存分に発揮され、没後100年近く経てもなお輝く、鮮やかな色彩と光が織りなす魅力にあふれています。
画業の短さ故にオークションに出ることが少ない画家ですが、今回、本作含めて4点がそろいますので、ぜひこの機会にご注目ください。
上記以外にも、藤田嗣治やベルナール・ビュッフェ、上村松園や井上有一などの絵画や書、オーギュスト・ロダンや高村光太郎のブロンズ、浮世絵や陶磁器、ジュエリーなどおよそ360点余りが出品されます。
皆さまのご参加をお待ちしております。
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■開催日:
02月15日(土)12:00-
■下見会:
02月12日(水)10:00-18:00
02月13日(木)10:00-18:00
02月14日(金)10:00-15:00
■会 場:
アイアート株式会社
東京都港区新橋5-14-10新橋 スクエアビル3F