来週開催!ジョルジュ・ブラックの大作が出品!

2019/09/20

 秋季特別オークションでは、ジョルジュ・ブラックの大作≪Les Oiseaux (桐の中の鳥)≫が出品されます。
 ピカソとともに、20世紀において最も影響力のある芸術運動とも称されるキュビスムを創設したブラックの油彩画が、国内のセールに出品されることは非常に珍しく、貴重な機会とも言えます。ミュージアムピースにもふさわしい名品を、ぜひご覧ください。

 古来、西洋では人体や物体の写実性、風景の遠近法など、いかにリアルに描くか腐心しました。その伝統的な観念をくつがえし、芸術の枠を大胆に打破したのが1907年にパリで生まれたキュビスムであり、ブラックとピカソでした。
 ブラックとキュビスム、そして今回出品作について、カタログで詳しくご紹介していますので、ぜひ冊子やオンラインをご覧ください。
 ちなみに、キュビスム時代のブラックとピカソは共同制作もしており、時には見分けがつかないほど作品が似ることもありました。あるコレクターの家で、ピカソがキュビスム作品を見つけ、それが自分の作品と思い込むが、自信がないので裏返してみたら、そこにはブラックの署名があった、というエピソードもあります。

 その後、1914年を境に2人はキュビスムからそれぞれ独自の道へと進みます。しかし、2人の起こした運動は、多くの作家や芸術運動にも影響を与えました。例えば、モンドリアンなどの抽象絵画、デュシャンなどのダダイスム…etc. コンテンポラリーアートにつながる前衛芸術があり、キュビスムはそれまでなかった新しい表現の可能性を生み出したのです。
 1914年以降のピカソも、さまざまな画風や技法に挑戦しますが、代表作≪ゲルニカ≫や≪泣く女≫にはキュビスム的要素を見ることができます。
 ブラックもキュビスム的な要素を生かしながら、「感覚は形態を崩し、精神は形態を整える」と語り、フランス的なエスプリ(知性、精神)を創造の原理とする、20世紀最大の画家のひとりとなりました。

 今回オークションでは他にも、ピカソのリノカット、藤田嗣治や東山魁夷、またコンテンポラリーアート57点を加えた、全191点が出品されます。
 オークションに先立ち、9月25日(水)~27日(金)にかけて、作品を直接手にとってご覧いただける下見会も開催いたします。
 皆様のご参加をお待ちしております。

〈次回:秋季特別オークション〉
■開催日:2019年 9月28日(土)13:00~
■下見会:
9月25日(水)10:00 – 18:00
9月26日(木)10:00 – 18:00
9月27日(金)10:00 – 15:00
■会場:〒105-0004 東京都港区新橋5-14-10 新橋 スクエアビル3F

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■オンラインカタログ⇒LOT83 ジョルジュ・ブラック≪Les Oiseaux (桐の中の鳥)≫