梅雨明けに、風景画で旅しよう

2018/07/03 展覧会情報

 
 

 関東では梅雨が明け、強い日差しと蒸し暑い日々が続いています。外を出歩くよりも、涼しい美術館に長居したくなる季節となってきました。
 
 現在、東京都美術館では『プーシキン美術館展—旅するフランス風景』が開催されており、フランス絵画コレクションで知られるロシア・モスクワのプーシキン美術館から、17~20世紀の風景画が来日しています(東京では7/8まで、大阪で7/21から)。モネやルノワール、セザンヌといった印象派・後期印象派の画家たち、ピカソなど巨匠の作品が「風景画」というジャンルに的を絞って展示されています。
 
 17世紀フランスでは、歴史や神話の物語を描いた「歴史画」の背景に広がる理想化された風景や、ローマの古代遺跡など旅先の風景が多く描かれていました。しかし19世紀から、ありきたりな農村とそこに暮らす人々の姿など、ありのままの自然な風景が注目され、印象派の頃からパリ郊外での行楽、近代化されたパリの街並みへと絵画の主題が変化します。そして20世紀に近づくにつれて、「風景画」はパリ近辺から遠い外国、画家の日常風景から夢想の世界にまで画題を広げます。またその表現も、緻密に描く写実的なものから、キュビズムなど独自の絵画理論に基づいたものなど、幅広いものとなります。

 「風景画」という1ジャンルの中で起きるこの大きな変化は、画家の風景への見方の移り変わりにつながるでしょう。画家たちは時代とともに、理想から自然、農村から都市、日常から非日常まで興味を抱き、いずれの風景にも「美」を見出しました。そして、画家自身が風景から感じとった「美」を再構築した世界が画面の中に広がります。
 
 「絵画は窓である」という言葉がありますが、美術館を巡りながら画家の目を通した風景を旅するように楽しめます。また、手元にお気に入りの作品を飾って、新たな風景を広げてみるのも良いのかもしれません。
 
 アイアートでは西洋画や日本画、洋画、版画など多くの絵画作品を扱っております。気になる作品などございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
 
〈次回オークションのお報せ〉
アイアート第53回オークション
開催日: 7月28日(土)
下見会: 7月25日(水)10:00-18:00
     7月26日(木)10:00-18:00
     7月27日(金)10:00-15:00
会場: 東京都港区新橋5-14-10 新橋スクエアビル3F 
 
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