LOT.124

Bernard Buffet(ベルナール・ビュッフェ)〈1928-1999〉
Lauriers Roses dans Un Vase de Delft I

  • 作品カテゴリ: メイン洋画
  • 65.2×50.0cm(15P)
  • キャンバス・油彩・額装
  • 右にサイン・左下に年記・裏面にMaurice Garnierスタンプ・裏面木枠にタイトル、ギャルリーためながシール / 1990年
    / Ida Garnier & Jacques Gasbarian 鑑定証書付
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  • 予想落札価格: ¥7,000,000~¥12,000,000

[来歴]: ギャルリーためなが (東京)

〈作品について〉

 いかにもビュッフェらしい奥行きを感じさせない直線で描かれた机。その上にはデルフトの花瓶に活けられた花が配されている。花瓶は李朝の立ち壺を想起させるようでもあり、胴の部分が窪み口部に向かってボリュームを増す形状は、活けられた花に躍動感と迫力を与えるのに一役買っている。画面の中央からは鮮やかな色彩をもつ草花が放射線状に勢いよく描かれており、タイトルにもあるように花の名前は「Lauriers roses」、和名は夾竹桃(キョウチクトウ)である。

 本作品が描かれた1990年にビュッフェは62歳を迎えている。若くから具象画家の寵児として評価され、1948年に第1回批評家賞を受賞した翌年の1949年から続く個展はこの年にも変わらず開催されており、画家の制作意欲に陰りは見えない。それどころか、制作年前年の1989年には画家の代表作の一つでもある「ドンキホーテ」のシリーズを主体とした個展を終えたばかりであり、翌年にはモスクワとサンクトペテルブルクでの回顧展も控えていたという、ますます脂がのってきた時期でもある。

 2017年に盛況のままに終えたパリ市美術館での画家の回顧展の勢いはそのままに、マーケットでの人気は衰えるどころかますます高まっているベルナール・ビュッフェの作品であるが、ここ最近のマーケットの動きは特に顕著である。画家自体は若い段階からマーケットでの評価を獲得していたものの、マーケットの最高落札額上位10点のうち7点が2014年以降、制作年代が1990年以降の作品についていえば、その落札価格上位作品の殆どがここ数年で記録されていることから、近年のビュッフェ作品に対する注目度、特に晩年の作品へのマーケットの関心度を窺い知ることができるであろう。

 1960年頃を境に画風に変化はもたらされたものの、その変化さえも独自もスタイルによって形成されており、様々な技法やジャンルが多く生まれてきた当時の画壇にあって、常に自己との対峙を欠かさなかったベルナール・ビュッフェによる「Lauriers roses dans un Vase de Delft I」。画中のところどころに配された黄色と画面に飛び散る黒い絵の具。作品に中で常に象徴的な位置を占めている黒く太い輪郭線は本作品においても健在であり、画家特有のマチエールも楽しむことのできる一枚である。)